50代の転職についてふりかえり(1)「大企業は安泰」の終焉

キャリア・転職

皆さま、こんにちは!当ブログ管理人の悠爺です。

私自身経験した50代の転職について60歳になった今、振り返ってみます。

このテーマについてはいろいろと思うところがあるので、今後複数回にわけて投稿しようと思います。

初回の投稿として今回は、40代後半に感じた将来に対する漠然とした不安とそれにどのように対峙したかについて書きます。

主観的な書き方が多い投稿になると思います。私の独断と偏見が入り混じっているので、その程度の内容と思ってお読みいただければ幸いです。

「大企業は安泰」の終焉

ない袖は振れない

日本の名の通った大企業は多くの子会社や関連会社を有し、幅広い事業ポートフォリオを持っていると思います。

これには投資におけるポートフォリオの分散と同じく、経営上のリスクヘッジとしての役割があるのですが、局地的には特定の市場で数多の競合とつばぜり合いをしており、必ずしも大企業だから強いとは限りません。

何となく大企業のブランドで楽勝などと高を括っていたらあっという間にやられてしまいます。

私が最初に勤めた会社も典型的な日本の大企業でした。

私が配属された事業所はまさしくその典型で、市場での競争に敗れ、やがて破綻そして清算に追い込まれました。

一旦経営が傾いたら「ない袖は振れない」の理屈で、事実上の肩たたきが行われます。

もちろん会社にとっても非常事態であるわけですが、レイオフや解雇は日本では難しいので、早期退職などインセンティブをつけて自主的に退職を促すわけです。

大企業で特に新卒採用の場合、一般に配属先は会社が一方的に決めます。

にもかかわらずその職場が清算されたら皆さまはどう思われるでしょうか?

「入社したとき終身雇用と聞いたが、話がちうじゃないか!」

と心の中で叫びますか?

私は叫びましたよ。心の中ですけど。

出世が止まったらリストラ予備軍入り

就活戦線を突破して晴れて大企業に入社した新卒のサラリーマンなら、出世意欲を持つことは至極健全なことです。

出世意欲はマズローの欲求5段階説に第4段階に出てくる承認欲求の典型例と言えるでしょう。

マズローの欲求5段階説 引用:ダイヤモンド をもとに作画

2分でわかる! “マズローの欲求5段階説”
誰でも「頭がいい人」のように思考するためのツール「フレームワーク」。だが世の中には、いろいろなフレームワークが溢れていて、「いざ使ってみよう!」というときにどれを使えばいいのかわからない…。こんな悩みをかかえている人も多いだろう。それを解決...

大企業の場合、ブランド力で有名大学の新卒を大人数採用する傾向が見られます。

会社の知名度が高いがゆえ、リストラはすぐニュースになってしまいます。そのため業績が悪くなっても何とか雇用を維持しようとします。

雇用される側にとっては有難い話でもあるのですが、半面、これが使えない人材を大量生産してしまうことにもつながっているように思います(全くの主観です)。

当然ですが、新入社員全員を同じように出世(昇進)させることはできません。

全ての社員はいずれどこかで昇進しなくなります。

私の場合、45歳を過ぎたころ「出世コースを外れたな」と感じるようになりました。

自分と同期入社の人の処遇や上司の評価などから自然とわかるものです。

しばらくは葛藤があるかもしれませんが、やがて残りの人生をどうしたらやっていけるか考え始めるようになります。

会社の本音はおそらく、

出世が止まった中間管理職はもういらない。

でしょう。

そう、出世が止まったら立派な「リストラ予備軍」の仲間入りなのです。

大企業によく見られる謎の組織

大企業あるあるの例として、部署名を聞いただけでは何をやるのかよくわからない謎の組織の新設があります。

私の独断と偏見で言えば、

これって雇用維持のために苦肉の策で作った組織だろう。

です。

そこに集められた人たちを見ればわかってしまいます。

会社からこれといった成果も期待されていないので、タフな目標設定もありません。

名刺の肩書こそ立派ですが、具体的に何をやっているのかさっぱりイメージできない。

そういうところに1年もいたら、確実に社外で通用しない人間になってしまいます。

そして1年後、会社がいよいよ耐えきれなくなり、リストラに踏み切ったらどうなるでしょう?

転職、職探しで一番苦労するのは、間違いなくこうした人たちです。

スペシャリストが求められる時代

これまでの大企業の人材育成や評価は、ゼネラリストに偏重していたと思います。

大企業の場合、業種・業界が多様化しているので、さまざまな部署に異動させ、異業種の経験を積ませてキャリアアップを図るゼネラリスト養成は、確かに理にかなっている面もあります。

しかし、本来ゼネラリストは経営層にこそ求められる特質であって、社員全員に求められるものではないですね。

こうしたゼネラリスト偏重教育を新入社員の段階から叩き込むと、何のスぺシャリティもない、外注管理だけやっているような謎のマネージャーが次々に生み出されます。

社内の人脈とプロトコルには長けているけれども、社外では通用しないノウハウばかりため込んだ状態で外に放り出されたら生きていけるでしょうか?

厳しいですね。

昇進しなくなったらリストラ予備軍になったことを自覚し、社外でも通じるスペシャリスト人材になることを目指す。処方箋はこれに尽きると思います。

40後半になったら転職なんて無理だから会社にしがみつけ、という声も聞かれます。

でも、会社がその市場から撤退を決めて職場清算、会社に残りたければ遠方の部署への転勤、そこで新設された「謎の部署」への配属になる、と言われたらどうしますか?

独身だったら転勤もアリかもしれませんが、家族持ちだったら単身赴任になります。

「謎の部署」が新設されたということは、転勤先には実質、あなたにお願いできるような仕事はないということです。

決して他人事ではありません。実際、似たような状況に私も追い込まれたので。

私が45歳のとき出世コースを外れたことを自覚したことは最初の方に書きました。

会社の業績もよくないことを感じていたこともあり、リストラに備えて自分がスペシャリストとして目指せるものはなにかを考え始めるようになりました。

では具体的にどんなことに取り組んでスペシャリストを目指そうとしたのかについては、次の投稿に書こうと思います。

まとめ

大企業は人が多く、課長や部長以外にも中間管理職の役職がいろいろあって、かつ階層が深い傾向が見られます。

一般に大企業の課長ともなれば世間体はよいですし、住宅ローン審査も通りやすいでしょう。

しかし、大企業も大変な競争にさらされている昨今、あなたの職場がずっと安泰である保証はどこにもありません。

いざという時自分を救うことができるのは、社外でも通用する何らかのスペシャリティです。

今40代後半の方で、将来のキャリアに不安をおぼえるようでしたら、自分は何のスペシャリストと言えるのかを自問自答して、必要な情報を集めるなど、行動に移すことをおすすめいたします。

そうした準備がやがて来る50代の荒波を乗り切るのに必ず役立ちます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。次回のブログでまたお会いいたしましょう!

 

 

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました